掃き溜めに酒

書いてみる、書きたいと思ったことを

ディーコン・ディーコン③

QUEENの音楽に触れたことによりベースという楽器への興味が芽生えた。それまで、あまり意識して聞いていなかったその音を追いかけるようになった。改めて、自分の好きなバンドの音を聞く。なるほど、確かにそこにもベースの音は存在していた。そのようにしているうちに、実際にベースを弾いてみたいという思いは強くなっていく。そしてお年玉を持って、あのギターショップを再び訪れたのはアコースティックギターを買った半年後のことだった。

 

ギターに続いて何を買えばいいかわからない。店主が薦めてくれたのは、バッカスジャズベース。ユニバースシリーズという名前だったと思う。2万円くらいの値段だった。色はサンバーストでローズウッド指板、一番普通というのがそのベースを選んだ理由だ。そして、例の如く教則本と、今度は小さなアンプも手に入れた。こうして今に続くベースとの付き合いが始まったわけだ。バッカスフェンダーヤマハミュージックマンエドワーズ、サドウスキー、モジュラス、ヒストリーその後たくさんの楽器と出会っては別れる訳だがそれはまた別の話。

 

このバッカスは後に友人に譲った。大学進学で地元を離れるのに荷物になるという理由で手放したが、初心者には十分な楽器だったと思う。ただ、やたらとネックが細かった記憶がありそこは不満のある点だった。それを手放したときには、ミュージックマン・スティングレイEXを手に入れてこちらはネックの握り心地もよく、気に入って使っていた。スティングレイ=フリー(レッドホットチリペッパーズ)というイメージもあるが個人的には、もちろんジョン・ディーコン。「地獄へ道連れ」の彼だ。楽器のデザインもさることながら、普段のプレシジョンベースから持ち変えた時の、サウンドの変わりっぷりにも魅かれた。後期になると「地獄へ道連れも」プレシジョンベースでプレイしてはいるが、スティングレイも、ジョン・ディーコンについて考えるときに触れたくなる要素である。

 

ベースを手に入れてからは、ギターの時とは違って挫折せずに、教則本を練習することができた。一か所押さえるだけなので分かりやすかったというのも、もちろんあったが、一番は「性に合った」これに尽きると今も思う。弾けば弾くほどベースという楽器が好きになっていった。教則本をやり終えると曲を練習したくなる。最初に選んだ曲はもちろんQUEEN。そして曲は「under pressure」